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再生可能エネルギーの促進と電機産業の課題

(はじめに)

 再生可能エネルギーの拡大とその技術開発は、日本の電機産業の再生と将来性に深いかかわりがあります。経済メカニズムを活用した政策のあり方を探ります。

<日本は自然エネルギーの宝庫>

 海溝に囲まれた地震国日本には、特有な自然エネルギーに満ちています。先ず、地熱発電の潜在力は、原発20基に相当します。次に、海洋エネルギーです。国土の12倍の排他的経済水域があり、波力・海流・潮汐力・海洋温度差などを利用することができます。風力では、洋上風力発電が注目されます。従来までの太陽光やバイオマスにも拡大の余地が大きく残されています。

<再生可能エネルギー拡大のカギは>

 政策的誘導と電力発電コスト削減をいかに進めるかが課題です。政策誘導の第一は、既存のエネルギーに社会的コスト(環境汚染など)を納めさせることです。勿論、核廃棄物処理費用や安全性がまったく盛り込まれていない原発は論外です。同時に、さらなる技術開発による発電コストの低減に果たす電機産業の役割は大きいと考えられます。

<再生可能エネルギーに求められる電機産業の技術>

 過去にも、困難な社会状況と厳しい環境規制が日本の技術開発を生んできました。(公害関係法→公害除去技術。オイルショック→省エネ技術。排気ガス規制→処理技術と燃費の向上。周波数の違い→電力変換技術など)ここに、電機産業の再生と将来性がかかっています。

@スマートグリッド

 アメリカや新興国では、電力の安定供給に主眼を置くのに対し、すでに高品質の電力システムをもつ日本では一歩進んだ技術開発が見込めます。再生可能エネルギーの拡大には、余剰電力をヒートポンプや電気自動車と連携させ、地域分散型エネルギーシステムを確立させることが欠かせません。

A太陽熱発電

 アジア全体の電力網構想。サンベルト地帯(インド北西・オーストリア西部・中国西部)での太陽熱発電と直流送電技術。太陽熱発電では、高反射ミラーや空気タービン発電など優れた技術をもっている。

B風力発電

 欧米の企業や中国・インドに大きくリードされていますが、洋上風力発電や大型の風力発電に日本の部材産業や発電装置に大きな強みがあります。

C地熱発電

 地熱発電には1966年以来の実績(全国18か所、535MW)と技術の蓄積があります。



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