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電機連合第61回大会について

<労働組合の原点である雇用を守る闘いを放棄>

 電機大リストラの波は収まる気配もなく、業績が好調な企業にも広がっています。雇用を守ることは、労働組合の原点であったはずです。しかも、人権を無視した退職強要に目をそらせることは許されません。この問題が、大会議案の最重要課題として取り上げられていません。大会では、日立労組の代議員から「事業構造改革で職場を去る人が多い。雇用を守ることに力点をおくべきでないか」との指摘がありました。有野委員長は、産業政策にふれる中で「雇用の維持・創出を図る」には「成長産業への積極的な投資」が必要と述べました。これは電機の大リストラが、新たな成長分野へと労働力を流動化させるためにやむを得ないとする財界の主張を後押しするものです。

<世論の追い風に背を向けた13春闘>

 13春闘は、広範な「賃上げ」への世論を生かせず、ベアを放棄した組合の姿勢が問われています。政府サイドからも、マスコミやエコノミストからも「内部留保の活用」や「デフレ打開のために賃上げが必要」などの発言が目立ちました。にもかかわらず有野委員長は、賃上げなどの労働条件は「労使交渉の結果として決まるものであり」「政府要請には唐突感と違和感があった」と述べました。これに対し「追い風を生かした交渉」を呼びかけたUAゼンセンでは、セブン&アイ労連が満額回答を勝ち取るなど147組合がベアとパートの賃上げを実現させました。また、「賃金体系維持」をはかったにもかかわらず、富士通では定昇9か月凍結、シャープの賃金カット2%が14年3月まで、パナソニックの一時金2割カットが合意されるなど、産別闘争のあり方に疑問が出されています。

<業績連動方式からの脱却が求められる>

 「賃上げ世論」の高まりに押されて、経営側は「ベアは否定、業績回復は一時金」との態度をとってきました。そこで明暗が分かれたのは電機と自動車です。ベアを放棄した替りに、トヨタの205万円を筆頭に、自動車大手の9組合が一時金の満額回答を獲得しました。それに対して、大手組合の半数が業績連動方式をとっている電機の場合、ベア放棄だけでなく一時金の積み上げをはかる交渉すらできませんでした。まさに「交渉権」も放棄したことになります。改めて、一時金は賃金の後払いであるとする本来のあり方から乖離している「業績連動方式」をやめ、「要求方式」への転換をはかるべきです。

<民主党を後押ししてきた電機連合の反省がみられない>

 職場の組合員から、「選挙に負けた(平野議員;パナソニック出身)理由が、民主党がだらしのないから負けたなど、被害者意識に終始している」「民主党を応援してきた労働組合としての総括が必要」などの意見が出されています。労働法制の改悪や規制緩和を押し進めてきた民主党への職場からの怒りの声に耳を傾けることが大事です。

<非正規労働者への取り組みの強化を>

 今春闘も、産業別最低賃金の水準が改善(500円UP)できたことは評価できます。しかしながら、この水準を電機で働くすべての労働者(雇用延長者や非正規労働者)に適用させることが重要です。その意味でも、電機が掲げる「均等・均衡処遇」ではなく、EUのようにすべての労働者を区別することなく「均等処遇」とすべきです。

<障がい者雇用問題への取り組みが提案される>

 追加方針として、「障がい者がいきいきと働き暮らすことのできる環境整備」する取り組みの推進が掲げられています。具体的な内容は別冊(20ページ弱)に示されています。実効ある取り組みが求められています。

<調査結果が生かされる労組の取り組みを>

 ”調査労連”と言われている伝統を引き継ぎ、昨年は「非正規労働者の労働条件実態調査」が行われました。今年度は、「電機産業の現場力」調査が予定されています。このような結果が、方針や運動に生かされることが望まれます。



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