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【電機連合定期大会議案について】

2010年8月4日「電機労働者懇談会」

 7月8・9日に名古屋で開かれた第58回定期大会では、春闘に対する新たな提案が行われました。2つか3つのグループに分けて賃金改善に取り組み、低位にあるグループは高めの要求をし、企業間・業種間格差の解消をはかるとしています。新役員体制では、委員長に有野正治氏(日立)、書記長に浅沼弘一氏(NEC)が選出されました。

《電機産業の動向について》

 議案では細かい統計資料に基づく図表などをつかい、電機産業を様々な点から詳しく分析していますが、その原因や理由に対する言及が不充分です。前年度比で雇用者数がもっとも減ったのが、電機機械器具製造部門で10万人減になっています。しかし、これが正規も含めた労働者の大量解雇にあることに触れていません。また、中闘組合企業合計の業績分析では、売上高が5兆円も下がったにもかかわらず、営業利益を600億円から7900億円まで増加できたのは「構造改革」の推進によるものだとしています。これも、定昇凍結・賃金カット・残業規制など労働者犠牲によって生み出されたものです。「合理化」を進めた結果、在庫圧縮(1割強6000億円減)で財務体質が改善されたとしています。これも、下請けへの発注を激減させ、非正規労働者の大量切捨てによるものです。

《電機労働者の声に応えていない》

 組合の調査でも、職場生活への不安が高まっています。「分社化により会社が変わってしまう」(60.9%)、「配転や職種転換で仕事内容が変わる」(58.2%)、「今の働き方が続くと心の病になる」(49.2%)など多くの人が不安を感じています。このような電機労働者の切実な声にストレートに応える方針が残念ながら提起されていません。

《職種別賃金の確立など》

 海外における職種別賃金の実態や国内の賃金制度の調査を通じて、職種別賃金の確立に向けた取り組みをするとしています。真の産別横断賃金に向けたものとして注目されます。また、第6次賃金政策による新たな目標水準(開発・設計職30才で31万から35万へ)の検討も提起されました。今後新たな要求策定や企業間格差圧縮に本気で取り組めるかが問われます。

《均等・均衡処遇の実現について》

 非正規労働者の賃金を産業内水準と整合性を図ることや、派遣労働者の権利保護ガイドラインの見直しをするとしています。しかしながら電機連合では、派遣法改正に際し、登録派遣は禁止するものの、製造業派遣に関しては慎重に論議すべきだとして事実上認める態度をとっています。何よりも、製造業派遣や有期雇用(期間労働)をなくしてこそ、非正規労働者の安定した雇用(均等処遇)を守ることにつながります。

《魅力ある人事・処遇制度について》

 先ず、電機各社の成果主義人事制度の諸問題(公平な評価でない。賃金が頭打ち。メンタル障害に結びつく。)に対する言及なしに、「魅力ある人事・処遇制度」への論議は始まりません。また、その条件のひとつに「経営対策強化による業績の向上」をあげていることも疑問に思われます。

以上



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