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【10春闘を振り返って】

2010.4.27 電機労働者懇談会

《電機の回答について》

 「賃金体系維持」をスト回避基準に設定した電機連合では、当初定昇凍結を提案された沖電気を含み主要組合が「体系維持」の回答を得ました。しかし、可処分所得が大幅に低下している電機労働者の賃金実態や急速に企業の業績を回復している状況からみて、極めて不充分なものです。実際定昇は内部原資であり、高齢者の大量退職に伴い総額人件費は大幅に下がっています。一時金の水準でも年間4ヶ月に届かない企業もあり、他産業(自動車など)との格差が広がっています。さらに、賃金カット(沖)や無給の休日(安川)も依然として継続されています。

《法改正により育児介護で前進》

 電機では、産別最賃の月額500円の引き上げ、労災付加分200万円引き上げとしました。改正労基法による割増率が50%以上になる月60時間以上の算定基準に、法定休日(法律では除いている)を含めすべての所定外労働時間を対象とすることにしました。しかしながら、月40時間以上を50%とする要求の旗を早々と降ろしたことは納得がいきません。改正育児介護休業法に基づき、介護休暇の新設や看護休暇制度の充実など、大きな前進がはかられました。改めて法改正の優位性と、この面での労働組合の取り組みの重要性が浮かび上がりました。今後も派遣法や最賃法の抜本改正、有期雇用をなくす基本法の改正が求められます。

《国民と労働者の期待を裏切る》

 政権交代後の初めての春闘には、「格差と貧困」からの転換を求めた国民と労働者の熱い期待がこめられていました。しかしながら、鳩山首相は「経営者にとって簡単に定昇できる状況にない」などと春闘に水をさす発言をしました。これは、内需拡大をうたったマニフェストに反するものです。さらに「最低賃金の全国平均1000円」も見送られたままです。また、連合大手労組幹部が早々とベア要求を放棄したことは、連合白書が力説した「配分の歪み是正」や労働分配率の向上とも相容れないものです。

《連合の共闘に変化が》

 昨春闘から連合は、五つの連絡会議(金属・化学・流通・公益・交通)を設置し、金属大手に依拠しない賃金闘争を模索し始めました。今春闘では、私鉄・JR連合・紙パなどでは内需拡大をめざし、ベア要求を掲げました。食品産業では、体系維持原資を獲得したうえで1万円以上のベアを獲得した組合もあります。連合では、中小の労組の賃上げを応援するために、例年以上に大手企業の定昇相当分・賃金カーブ維持分の公表を広げたことは注目されました。

《内部留保の社会的還元を》

 全労連は、この10年間に大企業が溜め込んだ内部留保が1.6倍に膨れ上がったことを指摘し、「この内部留保を使って賃金や下請け単価を引き上げ、雇用を安定化させること」を訴えてきました。内部留保還元により、国内需要はもとより税収も大幅に増えるとの経済効果の試算は大きな反響を呼びました。そして大企業への申し入れや50万人の統一行動も展開。このような国民の幅広い共闘を進めることが、7月の参議院選挙での前進によって政治変革と労働運動のさらなる飛躍につながられることが必要です。

以上



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