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《電機連合第57回定期大会について》

2009年8月4日「電機労働者懇談会」

 電機連合の第57回定期大会が7月9日(木)〜10日(金)に札幌市内で開かれました。大会では、春闘総括と運動方針が提案されました。ここでは、活用あるいは注目できる点を中心にとりあげます。

【09春闘の評価と課題について】

<09春闘の総括について>
 急激な経済環境悪化にもかかわらず、過年度物価上昇(1%半ば)に基づく賃金要求を「正当な要求」として交渉したことは一定評価できます。しかしながら、最終段階では雇用問題を理由に、ベア要求を取り下げ、「賃金体系の維持」と「一時金のミニマム4ヶ月確保」にとどまりました。総括では、賃金体系を維持できたとしながらも、多くの中闘組合での定昇凍結・賃金カット・残業割増率切下げ・日当半額などの実態にはまったく触れられていません。このような内容は、ハドメ事項(申し合わせ)にも逸脱するものです。さらに、情勢が激変するなかでの方針転換や連合からの自立を主張するなど、統一闘争へのより後ろ向きの姿勢がうかがえます。

<ワークシェアリングは最後の手段に>
 会社側からの緊急労務対策提案(ワークシェアリング等)が提案された場合、先ず対応順序を「@時間外・休日労働の削減、A政府から支給される雇用調整助成金を活用した一時帰休の実施、Bワークシェアリングの実施の順とする」としています。さらに、一時帰休の場合、会社の補填と雇用調整助成金の適用で基準内賃金の100%を補償することとしています。

<雇用の維持・安定の取り組みについて>
 緊急雇用対策本部を設置し、労働契約法をはじめとする法遵守を要請し、電機労使との間で共同宣言を締結するなどの対応は一応評価できます。しかし経営側への要請が主であり、共同宣言でも個別企業に規制はなく、大量の非正規労働者の解雇と、正規労働者の希望退職や広域配転などのリストラを許すことになりました。

【運動方針について】

<30万円台半ばに引き上げ>
 大会では、リーディング産業にふさわしい賃金水準として、「開発・設計職基幹労働者」の賃金の目標水準を現行31万円(中闘平均)から30万円台半ばに引き上げる考えを示しました。さらに、年齢別最低賃金のポイントも40歳から35歳に前倒しています。

<公正処遇の取り組みについて>
 議案では、パートタイム・有期契約労働者などの処遇に関し、「同一価値労働=同一賃金の観点から、@産業別最低賃金(18歳見合い)の適用、Aスキル・能力など仕事基準をベースとした均等・均衡処遇のあり方など」公正な処遇への取り組みが提起されています。

<ワークライフバランス>
 5ヵ年プログラムに基づく取り組み自体は一応評価できます。ただ制度導入と到達目標が示されているだけで、各職場での実態が充分考慮されていません。先ずなによりも取りやすい環境をどうつくっていくのか、具体的には長時間残業の削減、交替要員の確保などのきめ細かい対応策が求められています。

<新たな方針の提起について>
 「メンタルヘルス対策ガイドライン」では、様々な具体的方針が提案されています。また、補強・修正された「経営・雇用対策指針」では、ワークシェアや非正規労働者への雇用対策などが新たに示されました。

<その他>
 電機産業では、国内はもとより世界的な規模での業界再編の波が及んでいます。特に半導体の分野では一層激しいものがあります。電機連合では、「喫緊の課題として半導体業種別懇談会の中で将来のあり方について、論議・検討を図る」としています。個別企業の枠を超えた産別としての政策と方針、さらに闘い方が早急に求められています。

以上


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