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【春闘史上最悪の結果となった09春闘】

2009年5月3日「電機労働者懇談会」

 電機連合は、過年度の物価上昇分に基づき、ベア要求4500円を久々に掲げました。しかしながら、ベア要求そのものを取り下げ、実質賃下げを受け入れるなど春闘史上にもない汚点を残す結果になりました。

《ハドメ基準を満たさず》

 春闘最終段階で、「賃金体系維持」という「闘争回避基準」(ハドメ)を決めましたが、大手筆頭組合などがこれを満たしていないのにもかかわらず実力行使を回避しました。日立・東芝・NEC・富士通などでは、定昇相当分(維持分)の一時停止(6ヶ月延期等)をするとしています。さらに、NEC・東芝では残業割増率の法定水準までの切り下げ、日当の半額化。日立では、無給の休日(月1回)や福祉手当のカット、など等。春闘でこれだけの賃下げや労働条件の低下を受け入れたことはかつてありません。

《春闘敗北を招いた原因》

 第一の原因は、春闘前段で問題となっていた非正規労働者の雇用を守る闘いに取り組まなかったことにあります。マスコミからは、「派遣を切っておいて、正社員は賃上げなのか」と言われ、労組幹部の姿勢にも後ろめたさが生まれました。今春闘では、何よりも全労働者の「雇用も賃上げも」獲得する闘いが求められていました。労使で締結された「雇用安定宣言」も、個々の企業を規制する拘束力がありません。非正規労働者に対しても「連帯」(退寮期限の延長など)に留まっています。グローバリズムと株主優先へと大きくシフトした経営側の姿勢に対し、これまでの「良き労使関係」をベースに「お願いをする」交渉では結果が出せないことが改めて明らかになりました。

《JCが主役の座から退く》

 連合の中でも、ゼンセン同盟などの食品・流通・サービス分野の組合で新たな共闘体制が構築され、ベア要求に挑戦し一定の成果を獲得しました。これまでのJC(金属労協)主導の「ストなし一発回答」方式の見直しと転換が予感されます。

《内部留保活用が世論に》

 マスコミからも、大企業の内部留保の巨額な実態と活用について報道されるなど、私たちの主張が大きな国民世論となりました。河村官房長官も雇用悪化にふれ、「企業の内部留保をこういうときに活用するのが大事だ」と言わざるを得ませんでした。

《真のワークシェアの取り組みへ》

 多くの企業では、「ワークシェア」の名のもとで、賃金カットが横行しています。連合の古賀事務局長も「今やられているのは、個別企業の生産調整・雇用調整であって本来のワークシェアではない」と指摘しています。「政労使」での合意のもとで、ヨーロッパで進められてきた「ワークシェア」が改めて見直されています。日本の場合、労働者のみに犠牲が強いられ、経営側への責任と負担がみられません。政府の側も、企業助成金など企業への給付が中心で、労働者への直接保障が明らかになっていません。また、電機各社でも賃金補償に差があるなど、全労働者・全産業で統一した「ワークシェア」のあり方が今求められています。

以上


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