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《08春闘を振り返って》

2008年4月17日「電機労働者懇談会」

1.追い風を生かしきれなかった連合春闘

 今春闘は、日本経団連が「企業と家計を両輪とした経済構造の実現」をうたい、福田首相自らが経団連に賃上げを要請するなどかつてない追い風のもとでの闘いでした。また、団塊の世代の大量退職に伴い、企業の総額人件費が大幅に下落しているなど有利な条件もありました。 しかしながら、今春闘ではこのような追い風を生かしきれず、ほぼ昨年同額決着で終わりました。マスコミからも、「この程度で評価していては、経営側に甘くみられるのでは」との批判がしきりです。追い風も組合の闘う力が発揮できないならば、成果を勝ち取ることができないことを改めて浮き彫りにしました。その大きな原因は、産別共闘よりも単組自決を優先させる企業主義にあります。さらに、ストなし一発回答に慣れきり、実力行使をもって闘う組合の原点を忘れていることにもあります。

2.統一闘争が崩れた電機連合

 電機大手各社の好業績にもかかわらず、昨年同額の1000円で決着しました。「極めて自制的な要求である」「満額とってもおかしくない」とする連合の高木会長の発言からみても、電機の春闘結果は大変不充分なものでした。7年連続した標準者賃金の低下や一時金での産別格差(自動車・鉄鋼との比較)の広がりを食い止めきれるものではありません。また、電機の統一闘争も後退しました。1000円を全額ベア回答したのは中闘15組合のうち8組合だけ。三洋電機・沖電気・明電舎は1000円に到達できず、他労組も昨年同様手当て込みという形になりました。一方、東芝労組では開発・設計職基幹労働者の賃上げを電機連合発表の1000円とは違う2500円を組合員に伝えるなど統一闘争に背を向ける例も生まれています。

3.時間外割増率でも前進できなかった電機連合

 連合のなかで時間外割増共闘の中軸であった電機連合がまったく成果を獲得できずに終結しました。このような結果に、連合の高木会長は「組合がものわかりのいい対応をしていたら進まない」「(要求にまったく答えないというなら)常識的には時間外労働はしばらくやめることになるのではないか」と苦言を呈しました。まさに、闘うことなくして成果を勝ち取れないことを電機各労組の幹部に突きつけたものです。企業主義に擦り寄る各単組には、経営側のコスト増になるという主張に有効な反撃もみられませんでした。逆に、二言目にはグローバリズムを持ち出す経営側に対し、国際水準の残業割増率は50%(平日1時間目から)であることを前面に押し出すことができませんでした。現在政府が検討している労基法改正案では、月80時間を越える分を50%増とするものに過ぎません。高木会長はこの問題でも、過労死認定基準である80時間では、「国際的に笑いものになる」と発言しています。

以上


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