電機連合の運動方針をどうみるか
2007年7月14日 電機労働者懇談会
07年7月5〜6日に開催された第55回定期大会議案書について、掲げられた運動方針をどうみるか、評価・活用すべき点はどこにあるかなどにポイントを絞って取り上げます。
(1)運動方針の補強をうちだす
今年度は中間年にもかかわらず、運動方針の大幅な補強を提案しました。ここには、電機の職場での過酷な労働環境(長時間過密労働とメンタルヘル
ス問題)や、低賃金・無権利で働かされている非正規労働者の悲痛な声を取り上げざるを得ない背景があります。議案書では、「これまでの正社員を中心とした
運動から労働者全体に目を向けた社会的広がりをもつ運動への転換が求められている」としています。
(2)労働時間短縮への取り組み強化
「過 重労働・メンタルヘルス対策」から「中期時短方針」を提案しました。今回の取り組みでは、「最低到達目標の達成」をめざし、具体的な「実行計画」の作成と
「進捗状況を点検する」としている点が注目されます。「最低到達目標」の一例では、「すべての組合員の時間外労働を1ヶ月45時間以下に抑えることをめざ
し、1ヶ月100時間または2ヶ月160時間を越える組合員をなくす」としています。従来までスローガン倒れに終わってきましたが、各組合で実効あるもの
にさせることが必要です。
(3)非典型雇用労働者の組織化
「全ての労働者の労働条件の向上と連帯を強化する」ことを目的に、「直接雇用の非 典型雇用労働者(パート・有期契約)すべてを対象」に取り組むとしています。組織化にあたっては、「労働協約上の組合員とする」及び産別会費は半額にする としています。また、同一企業グループ内にある人材派遣会社、請負会社に対しても、中核企業労組が支援して組織化を図るとしています。さらに、雇用延長者 や部下なし管理職の組合員化にも取り組むとしています。
(4)業種別部会と地協活動の強化
業種別部会の運営強化と本部役員配置を提案しています。今後、 「半導体部会」「光学・精密部会」「人材ビジネス部会」の設置についても検討するとしています。ここには、業種や企業を超えた合併などが進展するなかで、
個別の企業組合では対応しきれない背景があります。また、「営業所」「分工場」などへの地協活動強化の為に、地協協力員や連絡員を新たに登録するとしてい
ます。さらに本部へ「会費一元化」を図り地協活動の連携と役割を見直すとしています。ここにも、電機各社の分社化や関連子会社化の広がりにより、労働条件
の悪化や企業間格差の拡大など中小労組の抱える課題の深刻さがうかがえます。
(5)大手主導の闘争体制への移行か
今春闘では、6組合の戦術委員会(松 下・東芝・日立・富士通・NEC・三菱)の頻繁な会合と情報交換のもとで、早々とハドメ内容が決定されました。この方向の確定を予感させる規程改訂が提案
されています。これまでの17中闘組合の指定をはずし、中央執行委員会が指名しその都度決議機関にて確認するとしています。また戦術委員会の代表も中闘組
合の若干名で構成し、年初に任命するとしています。
以上
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