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《07春闘を振り返って、電機連合をどうみるか》

2007年5月10日、電機労働者懇談会

(評価すべき点)

(1)電機労働者の賃金及び生活実態を明らかにしている
 今春闘でも、賃金水準の推移(ラスパイレス指数)を示し、標準者でさえ5年連続低下していることを明らかにしました。生活実態調査からは、電機 労働者の切実な要求の声も収集されています。しかしながらこのような実態把握と電機の掲げる要求や闘いには大きな乖離がみられます。
(2)「職種別賃金方式」   の積極面について
 今回の「職種別賃金方式」(開発設計職基幹労働者など)では、諸手当を除いた絶対額表示としたことで、電機各社間の賃金格差の実態が明らかにな りました。それに基づき、今春闘では企業間格差の是正を前面におき、上限を取り外した「2000円以上」とする要求額を決定しました。ある意味で、中小の 労組や電機で働く非正規労働者への賃上げの闘いへ励ましを与える面もみられました。事実、電機の一部労組でもそれに伴う取り組みが行われました。(アンリ ツの場合、1800円の賃金改善)しかし、成果主義賃金へのすり合わせなど問題点も多くあります。

(問題とすべき点)

(1) 賃上げ(ベースアップ)の内容を大きく変質させた
 今春闘、従来では賃上げとはいえない各種是正分を含めた合計額を賃上げ相当分と認めました。是正分には、子育て支援・教育費用・処遇制度の見直しなど様々です。是正分は、全組合員に配分されず総原資の確証も明らかではありません。

(2)統一闘争からの後退
 当初から統一回答を設定しない方向が模索され、大手組合を中心とした六人委員会での、執拗な情報交換と談合が行なわれました。回答指定日の一週 間前から早々と500円の最低改善額と是正分を含めて1000円のすり合わせが決定。さらに、回答不満の場合の実力行使を「24時間スト」から、「無期限 の時間外・休日出勤拒否」へと変えました。ここにも、「闘わない春闘」へのより一層の後退が象徴的にみられます。

(3)「春闘崩壊」が進む職場の取り組み
 すでに、組合のビラからは「春闘」という言葉が死語になりつつあります。全組合員の総決起集会もなく、ネットを通じての報告配信しか行われてい ない職場も増えています。さらに賃上げなどの労働条件の改善も、労使の信頼関係を理由に、団交ではなく労使協議会の場で交渉を行なっている組合もありま す。

(4)連合路線からも逸脱する電機連合
 非正規労働者(パートなど)の賃上げや「偽装請負問題」などの取り組みの具体化がほとんどみられませんでした。今や連合労組のなかでも、電機が特異な存在となりつつあります。

以上


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